きせつ
みずたまりに そらが はいっていた
あめあがりの 道に、ちいさな みずたまり。のぞきこむと、そらが まるごと はいっていた。
あめが やんだ。ぷっかが もりへ いくと、道のあちこちに ちいさな みずたまりが できていた。空気が、あらわれたばかりみたいに しずかで、はっぱの先から しずくが ぽたん、と おちる音だけがした。
ひとつの みずたまりを のぞきこむと、そこに そらが まるごと はいっていた。白い くもも、青い ところも、さかさまになって、しずかに ゆれている。きのうまで 上にあったものが、いま、足もとにある。
「これ、ほんものの そらと どっちが ほんとうの そらなんだろう」と ぷっかが言うと、あとから きた チロが、ぴょん、と みずたまりを ふんだ。そらが くしゃっと くずれて、それから ゆっくり、もとに もどっていった。
ふんでも、こわれない。すこし まって もういちど のぞくと、そらは ちゃんと そこにいた。この みずたまりは、いつか かわいて なくなってしまうのに、いまは こんなに たくさんの そらを ためている。
きょうの つぶやき
「うつっているだけ、なのに。どうして こんなに きれいなんだろう。」